なんとか自力で解決したい!解決ノウハウ集

資金調達 編 : 銀行への持ち込み資料~これだけあれば大丈夫

決算書3期分

コピーで結構ですが、申告書部分(税務署の印鑑がついたやつ)と、
勘定科目内訳までを提出して下さい。

【よくあるパターン】
貸借対照表で「仮払金」の勘定科目があがっているのに「仮払金」の内訳書だけ添付されていない。
⇒100%「何か隠してるの?」って怪しまれます。内訳書は最初から全部出しましょう。

ただし、「これ…出しても大丈夫かな?」と不安になるものが中にはあると思います。
そういう時は税理士さんかコンサルタントに相談するのが良いでしょう。

事業計画書

何の事業に資金が必要なのか、
「いつ、どこで、だれが、何を、どうやって 事業を行うので、いくら必要である。」
これだけ押さえていれば十分です。最初から大量の資料は要りません。
銀行員ももちろん人間ですから相手に「おもしろそう!」「成功しそう!」「夢がありそう!」
「社会に役立ちそう!」と思ってもらい、「この事業にお金を貸したい!」と思わせる事が重要です。

【よくあるパターン】
「え~と、とりあえず 運転資金で 借りられるだけ貸して下さい。」
一時期のビジネスローン大奮発時代はこれでも良かったのかも知れません。ただ、今の難しい時代、これでどうやって相手がやる気になってくれるでしょうか。

中期計画

今後5年程度の中期計画書を作成する事で相手に想像力(イメージ)を与える事が出来ます。
銀行員に「今、金を借りに来た会社」(忙しいのに、めんどくさいな。小口だし。よく判らない先だし)から「今後大きくなる会社」(売上げが増えて優良先になったら、いっぱい融資が出来るし、定期預金も取れる。成績が上がるなし、うれしいな。)とポジティブイメージにシフトさせる事が重要です。
私が銀行員時代お付き合いを始めて、裸一貫やベンチャー企業からそこそこの会社に育った
企業の社長様は皆、中期計画を作成して銀行員時代の私に自分の夢を語ってくれました。

会社案内
(商品パンフレット)

絶対にあった方が良いです。人間の脳は白黒よりもカラーの方が鮮明に記憶出来ます。
相手に伝えたい自社のイメージをカラーやイラストに表した会社案内を銀行員に渡すのと、
名刺一枚だけ渡すのでは効果がまるで違います。
また、社長の経歴や信念を載せる事で社長のひととなりを相手に伝える事が出来ます。
スタードッグスでも創業時、会社リーフレットを真っ先に作りました。

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融資申込 編 : 申込成功への道は2つ。銀行の現実が見える“飛び込み”か、人脈を活用する“紹介”か。

1. 飛び込み訪問

御社の事業所から立地的に近い銀行、信金にアポなしで飛び込み訪問します。
目的は営業担当者を捕まえて話を聞いてもらう事。もしくは、営業担当者の名前を聞き出す事。
行く時間帯のベストは朝9:00~10:00の間です。
運が良ければ、外交前の営業担当者や営業部長クラスを捕まえられます。

お昼前後は避けた方が無難でしょう。営業担当者は外出している事が多いでしょうし、
窓口の女の子が交代で食事に行くので接客対応人数が少なくなり、いい加減な対応をされる可能性があります。
もし営業担当者が全員外出しており不在の場合は融資部長や業務部長(窓口の預金業務の責任者)が必ず在席
しているはずですから、融資部長や業務部長に自分の名刺と会社案内を渡して(相手の名刺も貰って下さい)
「融資を申し込みしたいが、営業担当者が誰か教えてほしい」旨を伝えるべきでしょう。

融資部長や業務部長は各部署の責任者ですから、「ホウ・レン・ソウ」はきっちりとやってくれるハズです。
営業部長か支店長に新規顧客の来店があった旨を伝えてくれるでしょう。
その後、2~3日のうちに銀行の営業担当者から連絡があると思いますので、日程調整して面談しましょう。
2~3日のうちに連絡が無い場合は再度、銀行に電話して名刺交換した相手にその旨伝えて下さい。

融資申し込みと言うか、ごくフツーの営業活動ですよね。

コンサルタントによっては「銀行に飛び込みで来る奴なんてロクやヤツがいないから、銀行から相手にされないよ。
だから、銀行に飛び込み訪問なんかしない方がいい。」と言われる方もいらっしゃいますが、私は反対です。

飛び込み訪問をすすめする理由は、ふたつ

1. 苦労することで、熱い思いをぶつけられる
いくつもの銀行を飛び込みで回って、時には邪見に扱われ、悔しい思いをしながら自分の会社を売り込む。
苦労するからこそ、やっと捕まえた営業部長や支店長に自分の思いをぶつけられるんです。
何度も繰り返す事で、自然と交渉能力やプレゼンテーション能力がついてきます。何事も経験だと思います。
2. 各銀行の融資への「温度差」を肌で感じられる
すごく一生懸命話を聞いてくれる信金もあれば、全く相手にしてくれない銀行もあるはずです。
また、同じ銀行でも支店の規模や支店長の方針によって融資に対する姿勢が全く異なってきます。
これらの情報を「肌で感じる」と言うことは。理屈だけでなくとても重要です。

2. 知人からの紹介

既に銀行と付き合いのある知人から銀行を紹介してもらうのは、とても効率的です。
そういう知人がいるのであれば、是非お願いして紹介してもらいましょう。
ただ、できるだけ銀行と「よい」取引をしている人からの紹介が効果的です。

「よい」取引とは

  • 預金をたくさん置いている
  • 借入をしており、きちんと返済している
  • 付き合いが長い
  • 支店長と親しい

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融資申込 編 : 申込成功への道は2つ。銀行の現実が見える“飛び込み”か、人脈を活用する“紹介”か。

銀行の支店の権限者は何と言っても支店長。支店長とコミュニケーションを取らない手はありません。
自社のイメージアップつながる、支店長への対応法をお教えします。
当社の社名、stardogs の“dogs”を頭文字とした4原則です。

Damage  “損失” ~弱さを見せる~

最近は30代後半から支店長に抜擢される方も多い様ですが多くの支店長が40代半ばから50代にかけて
の方が多いと思います。
支店長相手に話をする時はどうしても、自社の良い事ばかりをアピールしてしまいがちですが、
支店長は組織をまとめる責任者としての立場の方々なので、「親分肌」の方も多いと思います。
そういった支店長には自社のアピールばかりでなく、弱みを見せる事も重要です。
「取引先が倒産して損失をだした。」
「営業マンが育たなくて困っている。」
「外注先の対応が悪く、他の外注先を探している。」
など、悩みを相談する事で支店長も情が入り、親身になってくれて色々と手助けをしてくれる、という事もよくあります。
若い経営者の方々は特に支店長に“可愛がってもらう”くらいの姿勢がいいと思います。

Opportunity “機会” ~決算報告~

担当の営業マンとはよく会う機会があっても、支店長とはなかなかゆっくり話が出来る機会がないと思います。
私がお勧めするのは、「決算報告」です。
年に一度、決算書が出来上がった時点で、社長自ら銀行の支店長に決算報告に行くのです。
あなたの会社が中小企業や自営業でも、遠慮する必要はありません。
事前に「決算報告に行きたいので支店長と会いたい」と言えば、よほどの事がない限り時間を取ってもらえる事でしょう。
お金を貸している相手が、1年間の事業の報告に来る訳です。
どんなに小さい会社であろうと、時間を取らない貸し手がいるのなら、それはモグリだと思いますね。

お金を借りたい時にだけ銀行に訪問するのでなく、日頃からきちんとした態度を示して、
社長自らが自社の決算内容を説明する事で、支店長に対する信頼度はグンと上がります。

Greeting “挨拶” ~年始の訪問~

決算報告と並んで行ってほしいのは「年始の挨拶」です。
昔に比べ慣習が無くなってきていると思いますが、だからこそ相手に与える印象は大きいと思います。
今年の会社の課題と目標を金融機関にアピールしましょう。
金融機関に社長の誠実さとその1年に対する意気込みが伝わると思います。
また、社長自身も銀行にアピールした手前がある為、強いモチベーション維持となる事でしょう。

Show “見せる” ~現場・工場の案内~

金融という仕事はモノを作らない仕事なので、銀行員は企業がモノ作りをしている現場や工場に興味を持ちます。
ただ営業担当者は別として、支店長が現場や工場に足を運ぶ機会は少ないかもしれません。
年に一度は、営業担当者を通じて支店長のアポイントを取り、現場、工場、店舗、倉庫の実地案内をすべきでしょう。
粉飾決算は棚卸資産の数字を操作する手法が多いので、
工場や倉庫の様子を眼で見てもらう事で金融機関に安心感を与える事も出来ます。

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決算書作成 編 : まめな試算表作成が一番の対策

創業間もない経営者様などは、決算時に特別な事はしないで担当税理士の先生にお任せする事が多いと思います。
基本的にはそれで構いません。決算というのは会社が国に納める税額を算出する作業です。
この税額を算出する作業は税理士の先生にお任せで構いません。ただ中小企業の経営者として意識する事は2点あります。

1. 税額をいくら程度払うのか予想しておく

資金繰りや経営効率上、税金をいくら払うのかはとても重要です。
経営者の中には税額を頭に入れずに事業を進める方が結構います。
自社の商品の原価率や経費に関しては敏感なのに税金に関しては難しいので税理士任せ。
というのはとてもナンセンスです。製品の質を落として原価率を下げて儲けたのに、税金でがっぽり持っていかれるのなら、
減価率は高くても良い製品を顧客に届けた方が、顧客満足度を向上させ会社の利益につながる事もあるでしょう。
本来、製品の原価を下げるにしても、製品の原価を下げた場合の「税引き後の利益」と「顧客満足度」を比較して
経営計画を練らねばならないはずです。その為には「税額の算出」は非常に重要になるはずです。
(この当たりの詳しい話は、今後わかりやすくコラムで書いて行きます。)

[対処法]
できるだけ短いスパン(毎月~隔月)で税理士の先生に試算表を作成して頂きます。
毎回、試算表月以降の予想収支を算出し、決算期にいくら税金が発生するか毎月~隔月ごとにチェックします。
「今期は若干の利益で着地しそうだから、税金は少なくて済みそうだ…」とか
「えっ!こんなに税金が発生するの?」など、数か月先の現実が見えて来ると思います。
その上で経費削減や原価削減、または節税など余裕を持って対応していきましょう。

2. 金融機関に借入申込するにあたり、不都合な決算にならないかチェックする

税理士の先生は税金のプロですが、銀行対応や資金調達のプロではありません。
銀行対応や資金調達に関しては経営者の方がプロでなくてはいけません。

チェックポイントは6つ!

赤字にしない!
銀行の格付けや、見た目のイメージとして「営業赤字」「経常赤字」「当期赤字」どれもマイナス効果です。
多額の役員借入金を残さない!
こちらもあまり役員借入金が多額になる用であれば、「DES()」など対処を考えましょう。
債務超過にしない!
債務超過になると借入は非常に困難です。決算期をシュミレーションして仮に債務超過になりそうであれば早い目に増資などの対策を考えましょう。
多額の貸付金や仮払金を残さない!
多額の貸付金や仮払金は銀行からすると「使途不明の怪しい勘定科目」です。あまり多額の貸付金や仮払金を残さないようにしましょう。
現預金比率を上げる!
上記の逆になります。決算期はできるだけ現預金をたくさん持った状態で迎えましょう。
バランスシート上に現預金のたくさんある会社として「資金繰りに余裕がある」所をアピールできますよね。
できあがった決算書は1年間使うものですから。例えば、年商5億の会社で決算期の現預金残が数十万円だったら……、
「この会社、資金繰り大丈夫か??」となりますよね。
持ち越せるものは持ち越す!
決算期のバランスシートは「軽く」しておきたいものです。
決算期直前での大量仕入れは「商品在庫」が膨らむので翌期に持ち越せるものは持ち込みましょう。
「借入」などもそうです。6月末が決算期だとして、できるものは7月1日に持ち越せば、バランスシート上に載らないので「軽く」なります。
[対処法]
1の対処法と同じです。まめに試算表を作成し、決算期が過ぎてから慌てない様に数字を着地させる事を考えましょう。

:「DES」…デッドエクイティスワップの略。ここでは財務改善の手法の一つとして紹介しており、負債と資本を交換する事である。例えば社長が自分の会社に対して1000万円を貸し付けていたとすると、会社のバランスシート上には社長からの借入金が計上される。社長からすると、この貸付金を一旦返してもらって、資本金に出資するという作業を資金移動なしに行える。このDESの作業で会社としては返済義務のある借金が減り、返済の必要のない資本が増えることになりバランスシート上も自己資本比率が改善する。